簿記2級を取得すると仕事で本当に役立つのか、資格を取る前に気になる人は多いでしょう。実際に取得してみると、経理や会計の仕事だけでなく、日々の業務や会社のお金の流れを理解するうえで役立つ場面があります。
一方で、簿記2級を持っているだけでは使う機会がなかったり、実務では資格試験とは違う知識が求められたりすることもあります。

日商簿記2級125回合格者の私が解説します。
Contents
簿記2級を取得して仕事で役立ったこと
簿記2級を取得して一番変わったと感じたのは、会社のお金に対する見方です。
資格を取る前は、売上や経費、利益といった言葉を何となく理解しているだけでした。しかし、簿記を勉強したことで、それぞれの数字が会社の経営にどう関係しているのかを考えられるようになりました。
特に仕事をしていると、売上がいくらだった、経費がいくらかかったという話をする機会があります。以前なら単純に数字だけを見ていましたが、簿記を取得してからは、その数字が最終的な利益にどう影響するのかまで考えるようになりました。
会社のお金の流れが分かるようになった
簿記では、商品を仕入れて販売する流れや、売上が発生して入金されるまでの流れなどを勉強します。
そのため、実際の仕事でも会社のお金がどのように動いているのかをイメージしやすくなりました。
例えば、売上が増えているのに利益があまり増えていない場合、単純に売上だけを見ていてはいけないことが分かります。
仕入れや人件費などのコストも考える必要があるため、会社の数字を見る視点が以前より広くなりました。
決算書の内容が理解しやすくなった
簿記2級では貸借対照表や損益計算書についても勉強します。
簿記を知らなかった頃は、決算書を見ても数字が並んでいるだけに感じていました。
しかし、勉強した後は、利益がどのくらい出ているのか、会社がどのくらい資産を持っているのかなど、数字から会社の状態を考えられるようになりました。
仕事で毎日のように決算書を見るわけではありませんが、会社の業績について話をするときなどには、簿記の知識が役立ちました。
経理担当者との話が理解しやすくなった
経理担当者と仕事上のやり取りをする場合にも、簿記の知識があることで話を理解しやすくなりました。
会計や経費に関する専門用語が出てきても、簿記を勉強した経験があるため、完全に知らない状態よりも内容を理解しやすくなります。
もちろん、実際の会社では簿記のテキストには出てこない会社独自の処理やルールもあります。
それでも、簿記2級で身につけた基本的な考え方があるだけで、話についていきやすくなったと感じます。
数字に対する苦手意識が減った
簿記2級を勉強する前は、数字を見ると少し苦手意識がありました。
しかし、仕訳や決算書などを繰り返し勉強したことで、数字を見ることへの抵抗がかなり減りました。
仕事では必ずしも難しい計算をするわけではありませんが、売上や経費などの数字を確認するときに、以前よりも落ち着いて考えられるようになりました。
これは簿記2級を取得して意外と大きかったメリットです。
仕事の判断をするときに役立った
簿記を勉強すると、売上だけでなく利益やコストについて考えるようになります。
例えば、売上が大きい仕事でも、それ以上にコストがかかっていれば利益は少なくなります。
簿記2級を取得したことで、目の前の数字だけを見るのではなく、その仕事によって会社にどのくらい利益が残るのかを考える意識が身につきました。
簿記2級を取っても仕事であまり役立たなかったこと
ここまで簿記2級が役立ったことを紹介しましたが、正直に言うと、勉強した内容のすべてが仕事で役立ったわけではありません。
むしろ、実務では一度も使わなかった知識もかなりあります。
仕訳をそのまま使う機会は少なかった
簿記の勉強では、さまざまな仕訳を覚えます。
試験では仕訳問題を解く必要がありますが、実際の仕事では経理担当者が会計ソフトなどを使って処理するため、経理以外の仕事をしている場合は、自分で細かい仕訳をする機会はほとんどありませんでした。
簿記2級の勉強をしたからといって、毎日の仕事で仕訳を大量にするようになるわけではありません。
そのため、資格取得後に実務で仕訳を使うことを期待している人は、少しギャップを感じるかもしれません。
試験で覚えた細かい論点は忘れた
簿記2級では、試験に合格するためにさまざまな論点を勉強します。
しかし、実務で使わない知識は、時間が経つとかなり忘れてしまいます。
資格取得直後は覚えていても、数年経ってから問題を解こうとすると、かなり忘れていることに気づくこともあります。
これは簿記に限った話ではありませんが、資格試験で覚えた知識をそのまま維持するには、実務で使ったり定期的に復習したりする必要があります。
簿記2級だけで仕事ができるわけではなかった
簿記2級を取得すれば、経理の仕事がすぐにできると思っている人もいるかもしれません。
しかし、実際の仕事では簿記以外にも覚えることがたくさんあります。
会社独自のルール、会計ソフトの使い方、請求書や経費精算の処理、社内の申請方法など、実務に入ってから覚えることはかなりあります。
簿記2級はあくまで会計の基礎知識であり、実務そのものを教えてくれる資格ではありません。
経理以外では直接使わないことも多い
営業や一般事務など、経理以外の仕事では、簿記の知識を直接使う機会が少ない場合もあります。
もちろん数字を見るときの考え方などは役立ちますが、毎日の業務で簿記の知識を使うとは限りません。
そのため、簿記2級を取得するなら、自分の仕事内容でどの程度活用できるのかを考えておくことも大切です。
簿記2級が特に役立つ仕事は?
簿記2級の知識を最も直接的に活かしやすいのは、やはり経理や会計関連の仕事です。
仕訳、決算、財務諸表など、簿記で勉強した内容を実務で使う機会が多くなります。
また、財務や管理部門など、会社のお金や数字を扱う仕事でも簿記の知識は役立ちます。
意外なところでは営業職でも、売上や利益、原価などを考える場面があります。
一般事務でも、請求書や経費精算など、お金に関係する業務を担当する場合には簿記の知識があると理解しやすいでしょう。
簿記2級を取って感じた一番大きなメリット
個人的に一番大きかったのは、資格そのものよりも会社の数字を見る視点が身についたことです。
簿記2級を取得する前は、売上が多ければ会社にとって良いことだと思っていました。
しかし、簿記を勉強すると、売上だけでなく利益やコスト、資産や負債など、さまざまな数字を見る必要があることが分かります。
会社がどのように利益を出しているのかを考えられるようになったことは、仕事をするうえで意外と大きな変化でした。
また、転職活動をする場合にも、簿記2級は自分の知識を客観的に示せる資格になります。
簿記2級は取る意味がある?
結論として、簿記2級は取って損のない資格だと思います。
特に経理や会計関係の仕事を目指しているなら、取得するメリットは大きいでしょう。
ただし、簿記2級を持っているだけで実務ができるわけではありません。
資格で得た知識に加えて、実際の会計ソフトを使ったり、実務経験を積んだりすることで、より仕事に活かしやすくなります。
経理以外の仕事でも、会社のお金の流れや利益の仕組みを理解するための知識として役立ちます。
簿記2級を取得するなら知っておきたいこと
簿記2級をこれから取得するのであれば、資格を取ることだけをゴールにしないことをおすすめします。
試験問題を解けるようになるだけでなく、実際の会社ではどのように数字が動いているのかを意識しながら勉強すると、知識が仕事につながりやすくなります。
可能であれば会計ソフトに触れたり、実際の企業の決算書を見たりするのもよいでしょう。
簿記2級の知識を実務で使うことを意識しておくと、資格取得後にも勉強した内容が活きてきます。
まとめ
簿記2級を取得して実際に仕事をしてみると、勉強した内容がそのまま使える場面もあれば、ほとんど使わない知識もありました。
特に役立ったと感じたのは、会社のお金の流れや利益の仕組みを理解できるようになったことです。
一方で、試験で覚えた細かい仕訳や会計処理などは、経理の実務に携わらなければ使う機会が少なく、時間が経つと忘れてしまうこともあります。
それでも、会社の数字を見る力や経理担当者とのコミュニケーションなど、直接的ではない部分でも簿記2級の知識が役立つ場面はあります。
簿記2級は、資格を取っただけで仕事ができるようになるものではありません。
しかし、会社のお金や数字を理解するための土台を作る資格としては、取得する価値のある資格だと感じています。
