日商簿記2級を取得すれば、次に待っているのは日商簿記1級です。
どんな資格もそうですが、1級と言うのは壁の壁の壁を超えなければ合格できないものですよね。
日商簿記1級もそれに該当します。
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日商簿記1級はすごい?
結論から言いますと、日商簿記1級はすごいです、すごすぎます。
と言いますのも、日商簿記2級とは難易度が格段に違うからです。
実際に日商簿記2級に合格してすぐに1級の勉強をスタートしましたが、あまりの壁の高さに愕然とした記憶があります。
たとえば、日商簿記3級から2級になるときはテキストが2冊ほど増えたな、って感じでしたが、日商簿記1級の場合は10冊くらい増えます。
それを見た瞬間にやってやろうじゃないか!という気合はありましたが、最初の章ですでに難しくついていけませんでした。
日商簿記1級は合格すれば、次のステップの税理士という超難関資格が待っています。
日商簿記1級を取得しなくても税理士にはなれる!
なんとなく、日商簿記1級⇒税理士というステップをイメージするかと思います。
実は、日商簿記1級に合格しなくても税理士の受験はできますよ。
2023年より、高校生でも大学生でも税理士の受験ができることから、日商簿記1級の合格は不要となります。
ただし税理士試験に関係してくることは、日商簿記1級も範囲となっているため、取得しておいて損はありません。
日商簿記1級の年収は?
日商簿記1級に合格するとたしかにすごいですが、それが年収に直結してくるわけではありません。
ただし、日商簿記1級を持っている人はかなり少ないため、大企業で活躍できますので年収増には期待できます。
基本的に、日商簿記1級の資格取得者が大企業で働いた場合、年収は600万円前後で推移しています。
あくまで大企業で働いている全年齢の平均ですから、20代や30代はそこまで多くはないと思います。
年収増を希望するのであれば、税理士や公認会計士を目指すのがいいのではないでしょうか。
日商簿記1級の難易度は?
日商簿記1級を偏差値で表すと、67くらいだと言われています。
他の資格と比べてみました。
・一級建築士・・・66
・気象予報士・・・64
・歯科医師・・・63
・薬剤師・・・62
・税理士・・・75
・公認会計士・・・77
日商簿記1級は、気象予報士や歯科医師よりも難しいようですね。
もちろん資格の偏差値はあくまで基準でしかないので、完ぺきではありませんが。
その上を行く税理士や公認会計士は、とんでもない化け物だと思います。
大学の偏差値でも見てみましょう。
・北海道大学理学部・・・67
・立命館大学法学部・・・68
・神戸大学経営学部・・・67
・筑波大学経済学部・・・66
どうでしょうか。
超名門の大学の偏差値と日商簿記1級が同じくらいと考えれば、なんとなく難しさは分かるかもしれません。
もし、あなたが上記大学や近しい偏差値の大学に通われていたのであれば、その勉強してきた情熱や時間を費やせば日商簿記1級に合格するかもしれません。
日商簿記1級の合格率は?
日商簿記1級の合格率は約10%です。
10人に1人しか合格しない鬼門中の鬼門の資格だと言えます。
日商簿記3級や2級みたいに、合格率のふり幅は大きくありませんが、本当に鬼門だった回の合格率は3.5%でした。(114回)
開催回 | 合格率 |
---|---|
161 | 10.1% |
159 | 10.2% |
158 | 9.8% |
157 | 7.9% |
156 | 13.5% |
155 | 中止 |
153 | 9.8% |
152 | 8.5% |
150 | 9.0% |
149 | 13.4% |
147 | 5.9% |
146 | 8.8% |
144 | 9.3% |
直近で難しかったのは、147回の5・9%でした。
少し易しかったのは、156回、149回でした。
と言っても合格率13%台ですからね、どちらにせよ難関すぎます。
日商簿記1級は独学でも合格できる?
日商簿記1級は、相当な努力家じゃない限り独学での合格は難しいと言えます。
そもそも、日商簿記2級に合格してすぐに勉強しても、日商簿記1級のテキストの意味が分かりません。
2~3ページめくっただけでハテナマークですから、相当に難しいと考えるべきです。
しかも、多くの通信講座でも日商簿記1級は取り扱っていないため、一筋縄ではいかないと考えるべきです。
もし、日商簿記1級に合格したい!とお考えなら専門の学校に通うべきですよ。
2年間ほどしっかり勉強すれば、合格する可能性は大いにあります。
ちなみに、独学で勉強した場合、1000時間くらいはかかるとお考えください。
1日3時間×30=90時間
90時間×11カ月=990時間
1日3時間の勉強を続ければ、11カ月から12カ月くらいで合格の見込みがあります。
日商簿記2級で要領よく合格した人は、もっと短い時間で済むかもしれません。
日商簿記1級のメリットってあるの?
日商簿記1級を取得するメリットは、大いにあります。
難易度が高いためかなり重宝される
日商簿記1級の合格率は10%前後のため、選ばれた人しか取得できません。
つまり、仕事で経理を使う場合はかなり重宝されます。
とくに税理士事務所などの専門職の場合、勉強しながら次のステップにいけますのでとても良い資格だと言えます。
努力できる人だと認められる
日商簿記1級に合格した人は、確実に努力できる人です。
これは、就職や転職活動をする際に、履歴書に資格欄を見た際、日商簿記1級の記載があればそれだけで凄さが分かります。
採用の基準になるのかは会社によりますが、努力できる人とできない人であれば、出来る人を採用したいと思うものです。
就職時はかなり有利
就職時に、すでに日商簿記1級を取得していればかなり有利に進みます。
とくに経理関係の仕事にエントリーした場合、日商簿記1級の保有者はかなり貴重なため採用されやすくなります。
独立時に経理を雇わなくてもなんとかなる
もし、自分が独立をした場合、経理を雇わないといけません。
ですが、日商簿記1級を持っていれば、記帳などは朝飯前ですからある意味、経理は雇わなくても済みます。
また、決算時にも一人でやろうと思えばできるでしょう。
資格手当がもらえる可能性がある
会社によっては、資格手当というものがあります。
たとえば、日商簿記1級取得者は月5,000円アップなど。
これも、会社によって資格手当があったりなかったりしますが、日商簿記1級の保有によって手当をもらえる可能性は高くなりますよ。
まとめ
日商簿記1級の勉強は、一筋縄ではいきません。
これは自身が身をもって体感したことで、日商簿記3級や2級の感覚で飛び込むものではないなと思っています。
もし、日商簿記1級を受験するのであれば、できるだけ専門学校などを利用するようにしましょう。