みなさんは、簿記は簿記でも、全経理簿記の存在をご存知でしょうか。
全経簿記は、日商簿記の次に有名な会計の資格だと言えます。
実際に筆者の私も全経理簿記1級を取得済みですので、経験をもとに合格率や難易度についてお話しします。
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全経簿記の正式名称は?
全経簿記の正規名称は、公益社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定です。
めちゃめちゃ長いので、履歴書に書く場合は、全国経理教育協会主催 簿記能力検定、もしくは全経簿記と記載します。
基本的に全経簿記は高校生とかではなく、経理専門学校や社会人が対象になった資格だと言えます。
全経簿記の歴史は古く、1956年に第1回が実施され、2022年は200回を超えました。
全経簿記では、基礎簿記会計からはじまり、3級、2級、1級、上級の順番に難しくなります。
基礎簿記会計は受験したことはありませんが、2級がそこまで難しくないので、専門学生や社会人は3級や2級から受験することをおすすめします。
全経簿記2級の合格率は?
全経簿記2級の合格率は、60%ほどと高くなっています。
つまり、2級ではありますが全く難しくない資格だと言うべきです。
直近の合格率を見てみましょう。
開催回 | 合格率 |
---|---|
208 | 57.6% |
207 | 61.4% |
206 | 44.7% |
205 | 64.1% |
204 | 49.5% |
203 | 68.4% |
202 | 51.1% |
201 | 63% |
200 | 55.5% |
全経簿記2級の合格率は、高いときで203回の68%、低くても206回の44%でした。
ただ、過去には23%という合格率もあったので、日商簿記のような難易度がいきなりアップすることもあります。
ただ、そういう足切りみたいなことは、ここ数年ではなさそうです。
全経簿記2級の難易度は?
全経簿記2級の難易度は低いです。
各簿記の難易度の比較表です。
また、資格はよく偏差値で変換されていますが、全経簿記2級は少しマイナーぎみのため数字では表せられません。
ただ、全経簿記2級と日商簿記3級が同程度のレベルですから、それを考慮すると偏差値は45くらいとなります。
偏差値45くらいであれば、少し勉強すれば合格レベルとなっているため、全経簿記2級も苦労することはないはずです。
全経簿記2級の受験日程は?
全経簿記2級の受験日程は、年に4回あります。
2月、5月、7月、11月です。
2023年の2月19日に209回の試験が開催されます。
申込期間は、12月26日~1月23日まで。
受験費用は全経簿記で
・商業簿記2級:2,200円
・工業簿記2級:2,200円
となります。
全経簿記2級と日商簿記との違いは?
全経簿記と日商簿記の違いは、主催がまず異なります。
・全経簿記・・・全国経理教育協会
・日商簿記・・・日本商工会議所
全経簿記2級と、日商簿記3級の難易度が同じなため、日商簿記3級との違いでお話します。
まず、日商簿記3級には工業簿記が受験範囲に含まれていませんが、全経簿記2級には含まれています。
工業簿記なんて分からないよ!って思うかもしれませんが、商業簿記よりも合格率は高いので楽だと思います。
2022年11月の208回では、商業簿記が56%の合格率に対し、工業簿記は84%でした。
全経簿記2級は正解率70%以上で合格となります。
これから簿記の試験を受けたい!となった場合は、試しに全経簿記2級からスタートし、日商簿記3級、日商簿記2級、そして全経簿記1級という順番でされるといいでしょう。
全経簿記2級は履歴書に書ける?評価は?
全経簿記2級は、日商簿記3級と同等レベルの資格ですから履歴書に書いても良いと思っています。
どんな資格でも、2級と言うのはある程度頑張った証でもありますので、どんどん書いていくべきです。
でも、どちらかというと日商簿記3級や2級を取得して履歴書に書く方が価値はあります。
簿記を知らない人からすれば全経簿記2級というランクの高い資格に思えますが、経理経験者からすればかなり普通に思えます。
これから簿記を勉強するのであれば、全経簿記も大切ですが、日商簿記3級や2級の合格を目指されることをおすすめしますよ。
まとめ
全経簿記2級は、日商簿記3級と同等のレベルではありますが、後者と比べるとまだまだ認知度は低い傾向にあります。
ただ、日商簿記3級が難しい、不合格だった人は、一度戻って全経簿記3級や2級を受けられてみてはいかがでしょうか。
また、これから簿記の資格を取りたい人も、まずは入口として全経簿記の受験をおすすめしますよ。