これから色の資格を取りたいとお考えの際に、色彩検定とカラーコーディネーターの2種類に興味を持たれるはずです。
ですが、色彩検定とカラーコーディネーターは何が違うのかや、違いについて詳しく説明できる人は少ないはず。
今回は、色彩検定とカラーコーディネーターの違いについてお話ししますので参考にしてみてください。
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色の検定は何種類かあることを知っておこう
色の検定はわりと多く存在していていますが、ある程度知名度のあるものだけに絞りました。
色彩検定
色の資格の中でも、もっとも知名度が高く選ばれているのが色彩検定です。
色彩検定は文部科学省が後援となっている、れっきとした色の資格です。
1990年から第1回の試験がスタートし、すでに150万人が受験している公的資格です。
級はUC(色のユニバーサルデザイン)級、3級、2級、1級の計4つあり、1級がもっとも難しくなっています。
色の資格としては、かなり昔からあるので知名度があるのがうなずけますね。
級と受験料 | ・UC級・・・6,000円 ・3級・・・7,000円 ・2級・・・10,000円 ・1級・・・15,000円 |
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受験資格 | 誰でも |
試験日 | 年2回の6月と11月 |
合格基準 | 100点中70点以上 |
難易度 | ・UC級・・・89% ・3級・・・74% ・2級・・・74% ・1級・・・47% |
受験料はそこそこしますが、どの級も合格率は高めですから早い段階で1級を目指せそうですよね。
1級だけ2次試験がありちょっと難易度は高めですが、それでも合格率は50%近いです。
カラーコーディネーター
色彩検定と比較されるのが、カラーコーディネーターです。
カラーコーディネーターは、東京商工会議所が主催する色の資格です。
つまり、色彩検定とカラーコーディネーターは主催者が違うことが分かりますよね。
級はアドバンスクラスとスタンダードクラスの2つに分けられています。
級と受験料 | ・スタンダードクラス・・・5,500円 ・アドバンスクラス・・・7,700円 |
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受験資格 | 誰でも |
試験日 | 年2回の6月~7月と10月~11月 |
合格基準 | 100点満点中70点以上 |
合格率 | ・スタンダードクラス・・・84% ・アドバンスクラス・・・65.6% |
カラーコーディネーターも、スタンダードクラス、アドバンスクラスともに60%以上の合格率ですから、難易度は高くはありません。
難易度的に、できればアドバンスクラスも合格しておきたいですね。
ちなみに、カラーコーディネーターはIBT方式(自宅で受験可能)とCBT方式(テストセンター受験)の2つから選べます。
カラーデザイン検定
カラーデザイン検定は、国際カラーデザイン協会が主催する資格です。
この資格のほとんどは女性が受験している、という特徴があり、1級に関して言えば98%が女性というデータがあります。
また、3級や2級は10代の受験者が多いのに対し、1級はなぜか40代の女性が多くなっています。
おそらく、3級や2級は専門学校生が受験をし40代は専業主婦などの受験者が多い傾向にあるようです。
級と受験料 | ・3級・・・4,800円 ・2級・・・5,500円 ・1級・・・14,000円 |
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受験資格 | 誰でも |
試験日 | 24時間365日(IBT試験) |
合格基準 | 100点中70点以上 |
合格率 | ・3級・・・70% ・2級・・・不明 ・1級・・・不明 |
色彩検定やカラーコーディネーターとは違い、カラーデザイン検定の情報があまりなく、合格率などは公表されていませんでした。
3級の合格率が70%台を考えると、2級も1級もそこまで難しくないのではと想定できますよね。
3級と2級は24時間365日で受験ができ、1級はIBT試験が開始予定となっており現在は受付していないようです。
パーソナルカラリスト検定
日本カラリスト協会が主催する資格が、パーソナルカラリスト検定です。
この資格が、人と色に着目したもので、将来的には販売やサービス業などに活かせます。
パーソナルカラリスト検定も一般受験だけではなく、自宅での試験に対応しています。
日本カラリスト協会では、パーソナルカラリスト検定以外にも、トータルカラリスト検定、配色検定など色に関連する資格を主催しています。
級と受験料 | ・3級・・・7,700円 ・2級・・・1,100円 ・1級・・・17,600円 |
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受験資格 | 1級のみ2級合格者 |
試験日 | 年2回の2月と11月 |
合格基準 | 不明 |
合格率 | ・3級・・・75% ・2級・・・70% ・1級・・・50% |
パーソナルカラリストの合格基準は公表されていません。
合格率を見ると50%~75%ですから、おそらく70点以上が合格ラインかと想定できます。
ただ、合格率だけで考えますと90点以上は取っておきたいところですね。
色彩士検定
全国美術デザイン教育振興会が主催する資格が、色彩士検定です。
色彩検定と名前が似ていますが、主催が異なります。
正式名称は、ADECマスター色彩検定だそうです。
この資格は、デザイナーやアーティストを目指す人たちを中心に取得しています。
級と受験料 | ・3級・・・6,000円 ・2級・・・7,500円 ・1級・・・20,000円 |
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受験資格 | 1級は2級合格者のみ |
試験日 | 3級は年2回の1月と9月。2級は1月、1級は9月の1回 |
合格基準 | 理論問題、演習・実技問題、各100点で合計200点満点。合格ラインを120点とし、かつ、理論問題、演習・実技問題それぞれを50点以上取得している者 |
合格率 | ・3級・・・75% ・2級・・・60% ・1級・・・20% |
おそらく、色の資格のなかでももっとも難しいのが、色彩士検定1級です。
1級は理論と実技の試験があり、どちらも合格率がかなり低くなっています。
過去の受験者も、簡単ではなかったという表現をされているため、色の資格の最難関と言えます。
ただ、難易度が高く難しい資格ではありますが、色彩検定やカラーコーディネーターのほうが知名度はあるかもしれません。
つまり、せっかく苦労して取得した色彩士検定1級の価値は、あまり知られていません。
色彩検定とカラーコーディネーターの明確な違いは?
色彩検定もカラーコーディネーターも、どちらもそこまで難易度は変わらないため、何が違うのか?という疑問を持たれるはずです。
色彩検定とカラーコーディネーターの目的
「色」は世の中のあらゆるものに使われ、私達は常にその影響を受けています。
にもかかわらず、一般的な学習課程で色について理論的・体系的な知識を得られる機会はあまりありません。専門的な教育を受けない限り、色についての知識や利用は個人の感覚や経験則に頼らざるを得ないのです。
色彩検定では色の基礎から、配色技法(色の組み合わせ方)、専門分野における利用などを幅広く学習します。「色彩検定」の学習によって感性や経験によらない、理論の土台を身に付けることができます。また、ご自身の現在の知識や目指すレベルに合わせて1、2、3級、UC級 のどの級からでもご受検いただけます。色についての知識が無く基礎からしっかり学びたい方や、現在色を扱った仕事をしているが知識を整理したい方、さらなるスキルアップを目指したい方など、様々な方に受検していただけます。
引用:色彩検定
色彩検定は、色の基礎や組み合わせかたなどを中心に学びます。
資格取得後は、アパレルやインテリア、流通、コスメなど幅広い職種で活用されています。
仕事に役立つ実践的な色彩の知識を学ぶことができる検定試験です!
オフィスや自宅、ショップやウィンドウ、テレビや雑誌、インターネット上など全ての場所に溢れている色。世相がその年の流行色に反映されたり、商品やデザインの色によって大ヒットが生まれたりと、色彩は文化や時代の流れに大きな影響を与えてきました。
色の性質・特性など、色彩の知識を身につけることで、色の持つ効果をビジネスシーンに活かすことができます。 仕事に役立つ実践的な色彩の知識を学ぶことができる、それがカラーコーディネーター検定試験です。
引用:カラーコーディネーター
カラーコーディネーターは、仕事に役立つ実践的な色彩の知識が学べる資格です。
深堀しますと、
・色彩検定・・・これから色の仕事をしたい
・カラーコーディネーター・・・現在仕事をしているがもっと活かしたい
こんな感じでしょうか。
色彩検定とカラーコーディネーターの受験者数
色彩検定とカラーコーディネーターの全級の受験者を合計してみました。
・色彩検定・・・59,367人
・カラーコーディネーター・・・4,506人
2つの資格を比較すると、受験者は10倍ほどの差がありますよね。
受験者ベースで見ると、色彩検定が圧倒的に知名度があるということが考えられますよね。
色関係の資格を取りたいとお考えなら、まずは知名度の高い色彩検定からはじめて、ある程度合格すればカラーコーディネーターなど、他ジャンルに手をだしてもいいかもしれませんね。
とくに、難易度の高い色彩士検定1級まで合格しておけば、カラーマスターと名乗ってもいいかもですね。
まとめ
色の資格を勉強する際に、色彩検定とカラーコーディネーターの2つで迷ってしまうものです。
2つに大きな違いはありませんが、知名度をとるなら色彩検定を、名前のカッコよさで見るならカラーコーディネーターがおすすめです。
あとは、どちらも難易度は高くないので両方取得するのもいいかもしれません。