簿記の資格は資格全体の中で見ても非常に人気が高く、利便性の高い資格の一つです。
しかし、簿記と聞くとどうしても「数字」が大きく関わるイメージが強く、長年勉強から遠ざかっている人やそもそも数学が苦手な人は多いのではないでしょうか。
数学が苦手な人や簿記と聞いて敬遠していた人でも簿記の試験は勉強次第で未経験でも必ず合格出来る資格です。今回は何故そのような事が言えるのか解説していきます。
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数学が苦手でも簿記が取得できる理由は?
数学が苦手でも簿記が取得出来る理由としては、簿記で一番必要なのは数学力ではない事が大きいです。
数字を扱う事が多い資格ですが、なぜ数学力が必要ないのかという点について説明します。
難解な数学理論の問題は一切ない
実は簿記は数学的な問題自体は一切出題されません。出て来ても基本的な足し算や引き算、割り算と全て小学校で習う事ばかりで数学のような数式などは一切出てきません。
つまり最低限義務教育で学習するレベルで計算問題は解く事が出来ます。しかも、試験では電卓が使用可能なので、暗算によるミスもありません。
電卓さえ使えれば簿記は合格しやすい
試験での問題を解く際に電卓を使用して問題を解きますが、電卓の使用方法を間違えないようにすればミスも大幅に減らせます。
試験自体には直接関係ありませんが、便利な電卓の使い方を知る機会にもなります。
●数字入力後「+」「+」の二度押しで最初の数字を固定して数字を足す
●数字入力後「x」「x」の二度押しで最初の数字を固定して数字を掛ける
これらは一例ですが、このような使い方は実際に簿記の試験でも使用出来ると非常に有利になります。意外にも実生活でも役に立つ知識となります。
ちなみに簿記の試験で電卓以外にそろばんを持ち込む事も可能ですが、特にこだわりがない場合は電卓で挑みましょう。慣れないうちは電卓の使い方も難しく感じるかと思いますが、簿記の学習をしていくうちに少しずつ慣れてくるので安心して下さい。
簿記は数学よりも国語が必要
数学力がそこまで必要ないのが伝わったかと思いますが、実は国語力が重要な試験でもあります。
資格試験ではどのような試験でもいわゆる「ひっかけ問題」と呼ばれる問題が存在しますが、簿記の試験でも出てきます。
また、言葉の読み間違いで大きなミスを生む事もあります。例えば「貸倒引当金繰入」と「貸倒引当金戻入」は似た言葉ですが、計算方法は全く逆になります。簿記の試験は配点の大きな問題があり、途中でのミスが採点に大きく響く事も考えられます。
そのため、しっかりと文章を読む力、及び理解力が大切です。正しく文章を読んで問題の意味をしっかり把握する事が合格への一歩と言えます。
数学が苦手な人ほど簿記をすすめたい本当の理由
ここまでの話で数学が苦手でも十分狙える資格という事は伝わったかと思います。その点も踏まえて苦手な人ほど簿記を勧めたくなる理由があります。
数字に強くなる
数学が苦手という事は即ち数字自体が苦手な方が大半です。
例えば買い物とかに行った時に会計で細かい計算が苦手で上手くやりくり出来れば小銭の整理も出来るのについ大きなお金を出してしまうなんて方もいるのではないでしょうか。
簿記に触れると小さなお金の管理も自然に出来るようになります。家計のやりくりや大きな買い物をする時など、今まで苦手意識があった方でも簿記を学習する中で苦手から得意になっていきます。
経営面の理解度が強くなる
簿記を学んでいくと「損益計算書」や「貸借対照表」などを活用して会社の資産状況や負債、利益などが分かるようになります。
自分は経営側じゃないから関係ないかと思うかもしれませんが、簿記を学習していくと経営側の苦労や経営状況なども見えてきます。
今働いている会社の経営状況を見てみたらあまり良くない状況だったなんて事も事前に把握出来るようになっていくので、今後の自分のキャリアなどを見直す機会にもなっていきます。
就職や転職で評価が高い資格
簿記の資格が人気な1番の理由はやはり就職や転職する時の評価が高い点が大きいです。簿記の知識はどんな職種でも必要なスキルとなり、経理関係の事務員の求人はいつも募集している所が多いです。
全くの未経験でも簿記の資格を持っているだけで重宝されますし、簿記の資格を取得したという努力は企業側にも伝わります。
何か資格を取ろうと考えた時に、職種に合わせた資格を取る事も大事ですが、万能な簿記の資格を取得しておけば今後何かと役に立つ事でしょう。
独立時にかなり役立つ
独立しようと考えている方は真っ先に簿記の資格を取得して下さい。特に簿記2級で学習する「工業簿記」は主に製造業や飲食店で利益を上げるのに必須の知識です。
脱サラして夢だったラーメン屋を始めたみたいな話を良く聞きますが、その大半は1〜2年で廃業する事が多いです。その理由として簿記の知識がない方が始めた時に原価計算やCVP分析など利益の計算が出来ない場合が多いためそのような事態になると考えられます。
今は独立するつもりがなくても最低限の知識として簿記を取得しておけば今後必ず役に立つでしょう。自分じゃなくても身近に独立を目指してる方がいれば助け舟にもなります。
数学が苦手でも簿記に合格する方法
数学が苦手でも簿記には合格出来ますが、独学で合格するのは非常に困難です。理由としては専門用語が多く、見慣れない言葉に悪戦苦闘する事が多いからです。
元々経理に携わっている方や周りに簿記の資格を持っている方がいる場合はそこまで問題ないかもしれませんが、全くの未経験で周りにも有識者がいないなんて事が大半ではないでしょうか。
そんな方でも簿記取得に向けて無理なく学習出来るのが「通信講座」を利用する事です。通信講座を利用するメリットとデメリットについて解説します。
通信講座を利用するメリット
質問の回数などの制限がある場合もありますが、専門の講師に聞きたい事を質問出来るので、分からない事があってもつまずく事がありません。
また、通信講座は常に試験対策として情報を提供しているので、無駄がなく学習する事が出来ます。
独学の場合、テキストなどを購入して勉強を進めていきますが、どんな分野が出てくるか分からないのでテキストの隅から隅まで学習する事が多くなりますが非常に効率が悪いです。
通信講座では次の試験で出題されやすい問題などを厳選して合格に特化した学習が出来るので余計な事を覚える事もなく効率良く学習を進めていく事が出来ます。
資格取得専門の学校などに通うのも手段ではありますが、どうしても費用が高額になり、期間も長くなります。通信講座は自分の好きな時間や自分のペースで学習を進めていけるので、プライベートの時間もしっかり確保できます。
通信講座を利用するデメリット
どうしても費用が掛かる点です。通信講座によって費用は様々ですが、独学で受験するよりも余計に費用が掛かります。
しかし、独学の場合、1発で合格する確率は低くなる可能性が高くなりますが、通信講座を利用すれば合格する確率は必然的に上がります。
合格するまで何度も受験する事を考えた時に通信講座で掛かった費用の方が安くなる場合もあります。
また、独学では理解出来ないままの事もしっかり理解して先に進めるので、仮に上位資格に挑戦する場合でも結果的に有利になると言えます。
まとめ
数学が苦手で簿記を敬遠していた方や今まで簿記とは無縁だった方にも、ここまで利便性の高い資格は他にないので、将来を見据えて是非簿記の取得を目指して欲しいです。
通信講座の中には簿記に特化したものもありますが、大半は数多くの資格を紹介しています。簿記に限らず自分に合った資格を通信講座で探してみるのもオススメです。
資格は一生物なので、取って損になるものはありません。この機会に資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。