FP(ファイナンシャルプランナー)という資格は元々アメリカで生まれた資格です。しかし、この本家を差し置いて日本はFP大国といっても過言ではないくらい大人気で資格保有者も多いです。
実態数だけではなく、近年の資格者の増加率が非常に高いのが特長です。それだけ世の中で求められている資格だという証拠です。
この超人気資格を取得するためには、一体どれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。
本記事では、国内FP資格最高峰であるFP1級を取得するための勉強時間や勉強方法等について解説させて頂きます。
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FP1級はどれくらいの勉強時間を要するの?
FP1級を取得する為には、6科目分の学科試験と実技技能試験の合格が必要です。
この試験合格のための勉強時間はおよそ500時間前後と云われておりますが、その人により結構差が出ます。300時間の人もいれば、700時間という人もおります。平均して約500時間前後です。
独学の人、FP関連の仕事を長年されている人、FPと全く無関係な職業の人など様々ですので。
1つの目安として、独学またはFPと無関係な職業の方は、600時間の確保を目指すと理想的です。これは何も、毎回何時間も机に座ってじっくり勉強するということだけではありません。
各自のライフサイクルに合わせて工夫して勉強時間を確保しましょう。いわゆる「すき間時間」の利用です。通勤中や昼休み早朝など少しの時間でも、勉強時間として積極的に活用しましょう。
合否を左右するのは、勉強時間の長さに対する効果、言い換えれば、学習効果=勉強時間×集中力です。闇雲に勉強時間だけを費やすのは逆効果です。
FP1級の難易度は?やっぱり難しい?
結論として簡単ではありません。FP1級の難易度は2級よりもかなり高いです。
知識以外に思考力も求められ、素直な問題だけではありません。
FP1級資格者になる為には、学科試験と実技試験の2つをクリアしなければなりません。
先に学科試験合格が必要ですが、この試験の合格率が約10%前後という難易度です。
後述致しますがFP1級には受験資格があり、誰でも受験ができるわけではありません。一定以上の条件をクリアした、いわゆる選ばれた人達が受けて合格率10%前後という難易度の高い試験なのです。尚、実技試験の方は合格率が高く約85%前後となっております。
つまり、FP1級に受かる為には学科試験の攻略がポイントとなりますが、この試験は基礎編と応用編の2つで構成されています。
試験形式が異なりますので、それぞれに勉強時間を割り当てる必要があります。多くの資格者が口にしますが、FP1級はキチンと勉強すれば必ず取れる資格です。
勉強方法×勉強時間=必ず合格できる、です。
FP1級とCFPの違いは?先にどちらを取得するべき?
資格としての大きな違いとして、
FP1級は国内資格ですがCFPは国際ライセンスです。
また、資格保有条件としてCFPには「継続教育による単位取得制度」があり、2年に1回の更新制度となっております。更に、CFPはFP協会に加入してFPとしての倫理規定も課せられます。
受験制度も大きく違います。
FP1級試験
FP1級は試験範囲である6科目全てを網羅した学科試験を1度に受験します。2部構成に分かれていて基礎編50問、応用編15問、試験時間は各2時間30分です。合格基準点は絶対評価方式で200点満点中120点。つまり60点です。これに合格後、次に実技試験をパスしてFP1級取得となります。
CFP試験
CFPは6科目が別個独立の試験となっております。各科目50問、試験時間各2時間、合格基準点は相対評価方式によるもので定められておりません。しかし、各科目合格率を見ると概ね60点以上が合格基準目安となります。6科目全てを合格してCFPとなりますが、一度合格した科目はずっと有効ですので、1科目ごと受験することも可能です。
どちらを先に取得するべきかは、各自によります。
FP1級を選ぶべき?
どちらか一方のみの取得を目指すのであれば、FP1級の方が取得しやすいかと思われます。
理由は、学科試験の問題量が圧倒的に少ないからです。FP1級が65問に対して、CFPは50問×6科目=300問もあります。また試験回数も、FP1級学科は年3回に対してCFPは2回です。
しかし、仕事や何らかの目的・志により両方の資格取得を目指す場合は、話が変わります。
CFPを先に取得することをお勧めします。
理由は、CFP合格者はFP1級を取得する際に学科試験が免除されますが、FP1級合格者が
CFPを取得する際には何ら免除制度が無いからです。
FP1級の一般的な勉強方法は?
大きな選択肢としては下記のとおりです。結論としては、自分の好み・環境にフィットするものを選ぶことが大切です。
税金関連は全科目分野に関わってきますので、勉強時間を多く割り当てると良いでしょう。この分野は法改正も多い為、試験で狙われる重要部分です。
テキストや問題集を繰り返す
過去問題は一番の受験対策です。これは、通信講座・専門学校通学・独学に限らず必須項目と言い切れる重要なものです。なぜならば、問題内容のみならず問題形式に慣れるからです。特にFP1級の試験は、単に知識を問うだけではなく実践的な問題が出題されます。
その分、問題形式が複雑で勘違いを起こしケアレスミスが生まれます。また、試験時間との戦いでもあります。効率的に問題内容を整理して理解する能力が必要になります。
その為には、過去問題を繰り返すことが重要です。そして、テキストで間違えた個所はもちろん、全て横断的に知識を整理・理解することにより各段と力が付きます。
問題集は解説が充実しているものを利用しましょう。問題集で大事なことは間違った問題を解説により深く理解して、今後間違えないことと併せて、類似問題にも対処出来るようになることです。
テキスト→問題集→解説→テキストで確認というルーティーンです。
通信講座の活用
仕事等により時間的余裕がない人にお勧めです。多くの場合Web講義を活用した講座が多いので、
いつでもどこでも勉強が可能です。忙しく時間が無い人には「すき間時間の活用」がポイントとなります。また、よく理解できなかった箇所は再度繰り返し講義を見る(聴く)ことができることもメリットです。
仕事等で勉強時間の確保が難しい、あるいは仕事で疲れた後に学校に通うのはキツイ、そもそも近場に学校が無いという人達にはもってこいのお勧めです。
デメリットは、1人での勉強ではモチベーションが上がらない人には不向きかもしれません。
専門学校の通学
講師が目の前にいて、他の仲間(ライバル)が一緒に頑張っているという「環境」がメリットです。
いわゆるライブなのです。緊張感が違います。そして、解らない箇所は講師に直接質問ができて、
その日の内に問題解決が可能です。しかし、授業中に集中力が続かないという人は向いていないかもしれません。
大事なところを聞き逃してしまい、そのまま授業が進行するとどんどん解らなくなります。
あと、学校に行くということで満足感を得てしまわないように注意しましょう。
FP1級は独学でも合格は狙える?
簡単ではありません。しかし無理でもありません。
効率の問題であり、その人のバックボーンにより大きく変わります。例えば自身の仕事の職種が、金融関連(銀行、証券、保険)や税理士等のFP関連ですと有利です。また、今は市販書籍の他にもインターネットでも情報が沢山取れますし、最近はユーチューブでの動画もあります。
一昔前よりはかなり独学の質は上がりました。
しかし、注意するべきは法改正です。独学の場合、法改正情報が抜けることが考えられ、ひっかけ問題にハマる可能性があります。また、その名の通り独学ですので、一人で内容を勘違いしたまま学習を進めてしまい、途中で解らなくなってしまう危険性も否めません。
お勧めとしては、苦手な科目については通信講座、模擬試験を通信講座で受講する方法です。
FP1級資格者になる為の、時間・労力など効率性を考慮した場合、通信講座も併用した方が良いかもしれません。
FP1級は誰でも受験可能なの?
FP1級には受験資格があり、誰でも受験できるわけではありません。下記のいずれかに該当する人が受験できます。
*FP2級合格者かつFP業務の実務経験1年以上の者
*FP業務の実務経験5年以上の者
下記に該当する人は、学科試験が免除されて実技試験のみとなります。
*東京都職業指定訓練の<FP養成コース>修了者かつFP業務の実務経験1年以上の者
*CFP認定者またはCFP資格審査試験全6科目合格者
上記の中で労せずして受験資格を得られるのは、実務経験5年以上の者となります。
しかし、実務と試験は似て非なるところがあります。試験特有の言い回しや論点があります。
やはり、この場合も一定の勉強時間を費やすことをお勧め致します。
FP1級を最短で合格するための方法
まず、受験当日についてです。
学科試験では、テキスト等の勉強では知らない問題が出ることもあります。ここに時間を掛けてはいけません。罠です。他の人もこの問題は解らないのです。60%以上の正答で合格できる絶対評価方式の試験ですから、まず先に解る問題で60%を目指しましょう。
そして計算問題やマークシート、問題文の読み間違い(計算問題での小数点に関する指示、個数問題の個数間違え等)などケアレスミスを防止することに注力した方が効率的です。解らなかった問題については、選択肢の消去方式で正答が導かれることもあります。
次に、受験勉強についてです。
勉強時間の確保が必要ですが、確保の仕方が大事です。いたずらにダラダラ勉強しないことです。
基本的に1回で合格を目指すという短期決戦で集中します。勉強時間はすき間時間もうまく活用しましょう。
疲れていて集中できないときの2時間よりも、時間がない中での集中した40分の方が効果的です。勉強時間とは長さではなく、質の高い時間です。
この質の高い勉強時間をどれだけ確保するかが合格のカギとなります。冒頭に必要な勉強時間の目安として500時間あるいは600時間と記述致しましたが、質が高ければ400時間でも合格は狙えます。
まとめ
FP1級は難しいけれど必ず取れる資格です。
その為には質の高い勉強時間の確保が大切になります。
時間に追われる現代社会で勉強時間の確保は容易ではありません。
質の高い勉強時間確保にWebの活用は大きい武器です。昔は学校通学と独学が勉強方法の定番でしたが、現代では通信講座の活用もお勧めです。